科目名 メディア専門演習I, II 「コンピュータビジュアリゼーション」
担当教員 竹島由里子
定員 15名
開講日・開催場所 後日、掲示

 

その他の情報は、下をご覧ください。

授業概要

ビジュアリゼーション(可視化)は、コンピュータグラフィックス(CG)の技術を用いて数値データを図形に変換することにより、視覚的な解析を可能にする技術です。大規模データや複雑な構造をもつ数値データそのものから、意味のある情報を取り出すことは困難ですが、可視化することにより、そこに隠された情報を直感的に見つけ出すことができるようになります。現在、様々な分野で広く可視化が利用されていますが、どのように数値データを図形化するかによって、得られる情報量も変化してしまうため、適切な可視化技法の選択と可視化パラメタ値の設定が必要不可欠です。
  みなさんにはあまり馴染みのない「可視化」ですが、工業や産業、いろんな分野で役立っています。様々なデータが氾濫している現在、どのように必要な情報を獲得するかがとても重要になってきます。
 本演習では、汎用可視化ソフトウェアMicroAVSや汎用情報可視化ソフトウェアTableauを用いて、実際のデータを可視化しながら、内部でどのような処理が行われているのか、どのようなことに気をつけなければならないのかなどについて学びます。

授業計画(予定)

第1回 ガイダンス・可視化とは?
第2回 スカラ場の可視化
第3回 アニメーションの作成
第4回 ベクトル場の可視化
第5回 実習
第6回 時系列データの可視化
第7, 8回 情報可視化
第9回 色の特性
第10回、第11回 様々なデータの可視化
第12回 対話的な操作
第13回、第14回 実習
第15回 作品発表会

可視化例

動脈瘤の可視化

動脈瘤内の血流解析

動脈瘤とは、動脈が膨らんでできた「こぶ」のことです。この「こぶ」ができてしまうと薬で元に戻すということは難しく、血圧をコントロールしないと、ますます大きくなってしまう可能性があります。また、「こぶ」が破裂してしまうと血液が体内に漏れてしまい、重大な障害が生じたり、最悪の場合は死に至るケースも少なくありません。そこで、治療法の1つとして、ステントと呼ばれる金属でできた網状のものを血管内に留置する方法があります。この方法では、どの位置に、どういう形状で、どういう材質のものを留置するのがよいかという研究が進められています。このような研究では、さまざまなステントを動脈瘤に留置したときの血液の流れや血管にかかる圧力分布を数値計算によって求めています。 また、実際の臨床例と比較して、どのような箇所で動脈瘤が破裂しやすいかなどについても研究が行われています。

航空機後方の可視化

後方乱気流

航空機が離着陸するとき、航空機の後ろには大きな気流の渦が発生します。これを後方乱気流と呼びます。滑走路上に後方乱気流が停滞しているにもかかわらず、後続の航空機が滑走路上に進入してしまうと、大事故が起こってしまいます。そこで、後方乱気流の発生と減衰についての研究が行われています。図は、航空機が飛び立った後の渦の状態を等高線で表示したものです。2つの赤い円の領域が、翼の両端から発生した渦を表しており、とても強い渦となっていることが分かります。このデータでは、横風が吹いており、徐々に渦が左へと流され弱くなっていく様子が可視化により分かります。

超新星爆発の可視化

超新星爆発

超新星爆発は、大規模な恒星が消滅するときに起こる爆発です。その中心部では圧力が高くなり、ブラックホールができる場合もあります。このような宇宙の神秘は完全には解明されていません。

このような現象を解明するため、様々な数値計算が行われています。

問い合わせ先

竹島 由里子 takeshimayrk@stf.teu.ac.jp

研究棟C 504