2017年度 卒研プロジェクト

プロジェクト名 コンピュータビジュアリゼーション
担当教員 竹島由里子、加納徹
定員 16名
プロジェクト公開日程

6月7日(火)15:00~17:00 研C504

6月15日(水)13:15~15:00 研C504

*お茶会(座談会)形式でやります。出入り自由です。

*それ以外の日程も随時受け付けますので、メールで
takeshimayrk@stf.teu.ac.jp まで連絡してください。

その他の情報は、下をご覧ください。

可視化とは?

可視化は、コンピュータグラフィックス(CG)の技術を用いて、大規模な数値データを画像に変換し、視覚的な解析を可能にする技術です。
本プロジェクトでは、さまざまなデータを対象として可視化を行います。

  • 新しい可視化の方法を考える。
  • 既存の可視化の手法を改良する。
  • 既存の方法では見えなかったものを見えるように工夫する。
  • 大規模な情報から新しい情報をみつける

研究テーマ例

下に、研究テーマ例を挙げていますが、可視化はいろいろなデータを対象にできます。下に書いてある以外のテーマも考えられます。

皆さんの興味ある内容のデータの可視化を研究しましょう。


動脈瘤の可視化

動脈瘤内の血流解析

動脈瘤とは、動脈が膨らんでできた「こぶ」のことです。この「こぶ」ができてしまうと薬で元に戻すということは難しく、血圧をコントロールしないと、ますます大きくなってしまう可能性があります。また、「こぶ」が破裂してしまうと血液が体内に漏れてしまい、重大な障害が生じたり、最悪の場合は死に至るケースも少なくありません。そこで、治療法の1つとして、ステントと呼ばれる金属でできた網状のものを血管内に留置する方法があります。この方法では、どの位置に、どういう形状で、どういう材質のものを留置するのがよいかという研究が進められています。このような研究では、さまざまなステントを動脈瘤に留置したときの血液の流れや血管にかかる圧力分布を数値計算によって求めています。 また、実際の臨床例と比較して、どのような箇所で動脈瘤が破裂しやすいかなどについても研究が行われています。

本研究テーマでは、医工学に携わる先生方と共同で、可視化を通して、動脈瘤破裂の回避法や、動脈瘤が起こるメカニズムの解明を目指します。


航空機周りの可視化

航空機の設計において、航空機全体または翼の周りの風の流れが重要になってきます。特定の場所に風圧がかかってしまうと、その部分から機体が損傷してしまう危険性もあがりますし、風に対する余計な抵抗が生まれてしまい、燃費が悪くなってしまう可能性もあります。そこで、風の抵抗が少なくなるような機体の設計がなされています。たとえば、翼の設計では、翼の厚さ、長さ、カーブなどなどいろいろなパラメタを変更して最適な形状を見つけなければなりません。その際、実際に翼の周りではどのような風の流れが起きるのか、そのとき、どのように風圧がかかるのかなどが数値計算されています。

本研究テーマでは、航空機設計に携わる先生方と共同で、可視化を通して、最適な翼形状を発見したり、航空機周りで生じる乱気流の解析を目指します。

超新星爆発の可視化

超新星爆発

超新星爆発は、大規模な恒星が消滅するときに起こる爆発です。その中心部では圧力が高くなり、ブラックホールができる場合もあります。このような宇宙の神秘は完全には解明されていません。

本研究テーマでは、宇宙物理に携わる先生方と共同で、可視化を通して、超新星爆発の神秘の解明を目指します。


音楽の可視化

音楽の情緒可視化

音楽はさまざまな人、環境で楽しまれています。No Music, No Lifeなんて言葉もよく耳にします。楽曲にはそれぞれがもつ雰囲気があります。同じ楽曲であっても、演奏者によって雰囲気も変わります。気分によって聴く音楽を変えたいということもあるかもしれません。しかし、楽曲全体の雰囲気を把握するためには、楽曲すべてを聴く必要があります。

本研究テーマでは、音楽全体の流れを可視化することにより、楽曲を視覚的に表現することを目指します。

スポーツデータの可視化

さまざまなスポーツで試合の様子が記録されています。たとえばバスケットボールであれば、シュート数、ゴール数、シュート位置などたくさんの情報があります。そのような大規模なデータを可視化し、チームごとまたは選手ごとに比較を行うことは、選手のトレーニングや試合の組み立て、また試合を見る側の興味を増幅させるものとして有効な手段であると考えられます。

本研究テーマでは、対象となるスポーツを決め、そのスポーツの中で比較を行うような新しい可視化事例を作り、直感的に比較ができるような方法を模索します。

裁判の可視化

日本では裁判員裁判も始まり、一般の人が裁判に携わる機会が増えてきました。裁判員は、事件の内容を聞いて、罪状を判断しなければなりません。しかし、凄惨な殺人事件などでは、事件の詳細を知ることにより心的外傷後ストレス障害(PTSD)になってしまう例もあり、複数の凄惨な写真からその事件概要を頭の中で想像することは裁判員に強いストレスを与えてしまいます。また、裁判官のように法律の専門家ではないため、膨大な量の過去の判例から類似する事件を見つけて罪状を決める目安にすることはとても難しいです。

本研究テーマでは、殺傷事件を例に取り、その捜査・鑑定から裁判に至るまでの流れを管理するシステムを作成します。また、解剖や現場検証にまたがる複雑な証拠データの相互関係を明らかにするような可視化手法の開発を目指します。

多感覚を用いた可視化

いろいろな分野で可視化による解析が行われていますが、可視化によって1度に表せる情報は高々数個でしかありません。また、バーチャルリアリティ環境のように、直感的な解析が向いている場合には、2次元ディスプレイとマウスの操作だけでは物足りません。

本研究テーマでは、可視化に加えて、力覚や聴覚を利用することのより、より直感的な解析環境の構築を目指します。

選抜方法

志望理由書をダウンロードして、メールで竹島宛(takeshimayrk@stf.teu.ac.jp)に送ってください。

提出期間: 2016年6月13日(月)0:00~17日(金)23:59

研究の進め方

  • 研究テーマは、それぞれが興味ある内容で行います。楽しいと思えなければ研究はできません。
  • 週1回研究室メンバー全員でのゼミを行います。それ以外に、個別に研究の打ち合わせをします。
  • 多かれ少なかれ、プログラムを組むことになります。できない、わからないという人には、一から教えます。
  • できる限り、コミュニケーションをとってください。研究以外でもなんでもいいです。

問い合わせ先

竹島 由里子 takeshimayrk@stf.teu.ac.jp

研究棟C 504